こんにちは!ECO運営チーム・音楽制作担当の田中です!

今回は、え~、お待たせせず、素早い更新となりました!
前回に続き、「サントラ発売記念!音楽ユニットACEさんインタビュー(第4回)」後半をお届けいたします。

かなりの量のインタビューをさせていただいた為、
数えると実に、ブログの記事にして5回分の分量になっているんですね。

なかなかこうした制作裏話というのは表に出ないものですので
毎回長い記事にはなっておりますが、お時間のあるときにゆっくりお読みいただければと思います。

これまでのインタビュー記事は、下記からチェックできますよ~!



                                      




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★トラック11 「Sorrow ends before long」

田中:こちらも未実装ですが……楽曲のタイトルと、曲中に使われている楽器の音色や雰囲気なんかで
だいたい何に使われるかというのが予想できてしまうユーザーさんもいらっしゃるのではないでしょうか。
この楽曲は、企画としては非常に古くから温められている「ある場所」をイメージしてご制作いただいた楽曲になります。

といっても、実際にそれが実装されるまでは、この楽曲の使用可否も含めて大幅な変更の可能性も残っているため、まだ確定的なお話はできないのですが……。

ちなみに、楽曲のタイトルですが、邦訳すると「悲しみはやがて終わる」といったところでしょうか。
ということは、現在は何かこう、深い悲しみを内包しているような場所なんでしょうね、きっと……。

え~……あまり話してしまうとあとで寺田教授に怒られますので、僕が話せるのはここまでということで!(笑)

古くからECOを遊んでいただいているユーザーさんは、ぜひぜひ「どこに使われるか」など含め、あれこれ予想しながら聴いていただければと思います。
そうですね~、早ければもう間もなくECOの中で聴くことができるようになる……はずです!はい!多分!

寺田教授(ついたての向こうから) 「こら!」

田中:ひぃ。このように、怒られます。(笑)

ACE ともりさん:(笑)。早くゲーム内で聞いてみたいですね〜。
ある街で流れる予定ですが、この街には特に思い入れがありまして、
僕はレベル1の時どうしてもこの街に行きたくて、そこで初めて憑依させてもらったんですが、
その人、半端なく強くて、超かっこよかった。(笑)
あの光景は本当に忘れられません。そしてECOのユーザーさんは本当に皆さん優しいと思います。すぐに手助けしてくれますし。
この街は本当に思い出深い街です。

ACE CHiCOさん:資料で頂いた設定が素敵で、その世界に入って作りました。
あまり言ってしまうとネタバレになりそうですので、実装を楽しみにしております。


★トラック12 「Messenger from ancient times」

田中:こちらも未実装ですね。企画としては、前曲の「Sorrow ends before long」と同じく、とても古くから名前が存在する「とある場所」をイメージしてご制作頂いた楽曲です。
これがまた、本当に古くからある企画でして。
毎回、実装を検討するところまではいくのですが、結局その他の実装物を優先することになったりして企画が落ちてしまう、というジンクスがあるんです。
実は、ACEさんには今回でもう3度も、同じ場所に対してのBGMをご制作いただいています。(笑)

ECOチームとしても、今度の、今度の、今度こそは!……と意気込んではいるのですが、
こればかりは「絶対!」ということが言い切れない部分ですので、なかなか難しいですね。
個人的には、3度目の正直で、この楽曲が本来の場所に乗って陽の目を見て欲しいなぁ~と願っていたりもしますが、内緒です。
楽曲としては、悠久の風を感じるような大陸的なメロディに「二胡」の音色が合わさって、とても幻想的で旅情的な、聴き応えのある楽曲になっていると思います。

ACE CHiCOさん:確かに、何度目のトライかしら?という位ですね!
頂いたリストを見て、まず『あれ?ここの曲つくりましたけども』という事をいったような気がします。
デジャヴュ?っていう瞬間が今回もありました。(笑)

田中:いやー、ははは。(笑)

ACE CHiCOさん:それから、この曲は音色にニ胡を入れていて、これを生音で収録しているのですが
私は今回ニ胡の録音が初めてでしたので、作曲する段階でいろいろ勉強はしましたけども、デモと本録音では曲の雰囲気がずいぶん変わりました。

しかしながら、さすがは劉さん!この奏法はニ胡では難しい、とおっしゃっりながらも、
『でも、やってみましょうか。』と、演奏してくださいました。

田中:
すごかったですね。本物の二胡から音が出ただけで、一気にスタジオの空気が変わりましたからね。

ACE CHiCOさん:一同、その音に感銘を受けました。
まず、音だしの段階で、皆「おぉ~」って、感動でしたから!
本当に劉さんに演奏して頂いてよかったです。

あ、劉さんというのは日本にニ胡という楽器を持ち込んで広めた第一人者で、
天皇陛下の前でも演奏なさったりした、すごい方なんですよ。
琵琶もそうですが、ダイナミクス(※音の大小差)が本当に沢山ある楽器で録音も大変だったと思うのですが、
シャングリラスタジオの田中さんというエンジニアさんが本当にすばらしい音で録音してくださいましたね。


田中: ともりさんはいかがですか?

ACE ともりさん:たしかに、ここのシーン用に3度制作させて頂いておりますね。(笑)
ですが、中でも今回のニ胡のレコーディングは本当に素敵な思い出です。
民族楽器って、本当にあちらの世界へいざなってくれるフシギな魅力を持っていますね。

★トラック13 「12sec seno mano - the voice from yourself -」

田中:お待たせしました。
こちらは2011年、通年で展開したイベント「ヒトトセのフシギなたまご」で使われ、大きな反響をいただいた楽曲ですね。
様々な想いが交錯しながら廻る星、巡る生命の営み、それを包む優しい「たまご」のようなイメージを、と
当初そんなところから制作をお願いした楽曲でした。

守護魔たちとウル、ルゥの物語がユーザーの皆さんにあれほどの反響を頂けたのも、今回この楽曲があったからこそ!だったと思います。

ただ、これは守護魔たちやウル、ルゥ達だけの楽曲、ということではなく、それらを懐に抱いたもっと大きな存在を象徴する楽曲なんです。
ですので、けっして「ヒトトセのフシギなたまご」だけでこの曲が終わりなのではなく、またどこかゲーム内で聴くことができる時が来ると思います。

ACE ともりさん:これはかなり思い入れがありまして、毛色の違う物を何曲か作りました。
どの曲も一年を通したイベントの最後に流れるドラマティックなシーンであること、神秘的であること、たまごが初めて割れて、
拓かれること、どこまでも透明で且つ暖かい、ということを念頭に置いて大切に作りました。
 
ACE CHiCOさん:この曲はともりの曲なのですが、初めて聞いた時に、すごく感じるものがありまして。
派手な曲ではないのですが、声を乗せてみたら卵が割れてぱーっと新しい世界が拓くイメージがしました。
仮レコーディングの時に「ヒトトセはこの曲だ!」と二人で思いましたね。

田中:確かに、聴いた瞬間、一気にイメージが「ひらく」曲ですね。

さて、それでは……ここはユーザーさんからも沢山ご質問を頂いた部分でしたのでCDではブックレットに対訳もつけてお届けしている「歌詞」についてなのですが、
これは、実は当初打ち合わせをさせて頂いた段階では「どこの国の言葉でもない言葉で」というオーダーで進めて頂いたものなんです。

ですが、現在も歌詞については「イタリア語じゃないだろうか」「いや、スペイン語では」と諸説あって、未だにユーザーさんからたくさん質問を頂いておりまして。(笑)
ひょっとしたら何か参考にされたのでは?……と思うのですが、この歌詞については、どのあたりから発想されたのですか?

ACE ともりさん:メロを作ったときに聞こえてくる音がありまして、その音をCHiCOに伝えて、そこを便りにCHiCOが歌詞を作って行きました。

田中:では、やはりどこか特定の国の言葉を参考にしたわけではないんですね。

ACE CHiCOさん:曲のイメージで、音から作った言葉なのですが、歌詞を全部作った後で言葉を調べてみると、
ギリシア語だったりラテン語だったりの中にその言葉に近い意味がありまして、すごくびっくりしました。

言葉の成り立ち、ではないですが、言葉もきっとまず『気持ち』や『なにか』があって、
そこからそのイメージを音にして出来てきたものだと思うのですが、それと同じ事が今回、自然発生的に起こっていた、といいますか。
作った歌詞で私たちが描いているイメージとぴったりくる意味の言葉が、既に世界中に存在していたんです。

例えば、「sec」という言葉は、時のイメージ。
これも、色んな単語や造語として、近い意味のものが世界中の言葉に存在していました。

それから、歌詞を作った後で調べてみて驚いたのですが、スペイン語に『mano a mano』という言葉があるそうです。
原意は手と手で勝負(二人だけで、差し向かいで)するという意味なんですが
「対決、対戦すること」「人を交えず二人だけで」「二者会談」といった意味もあるんだそうです。

タンゴにも「mano a mano」という曲がありまして、日本語訳では「五分と五分」となっているんですが
「二つでひとつ」っていう意味もあるそうです。

二つに分裂していた心がひとつになる、というこの曲のシーンにぴったりでした。
どれも元々は音が口をついて出たものを形にしたものなのですが、びっくりいたしました。

田中:なるほど。そういえばACEさんから歌詞を頂いた時、僕の方でも言葉の響きや意味、言葉の並びについては色々とチェックしたのですが
ちょうど歌詞の中の「janus」という言葉も、ローマ神話の神様の名前だったんですよね。
この神様というのが、物事の「始めと終わり」を司っていて、今回のシチュエーションにぴったり、ということがありました。

当時、CHiCOさんにそのあたりをお伝えして、二人で「鳥肌ものですね!」なんて話して驚いていた記憶があります。
色々な面で、まるで「導かれた」ようにして出来上がった楽曲でしたね、この曲は。

ところで、この曲はECOの中でも初めての挑戦になる位、「歌」を前面に押し出していただいたのですが、これはどのように歌われたんでしょうか?

ACE CHiCOさん:歌は、世界感がすごく出来ていたので、歌い易かったですし、最近歌った歌の中でも最もすんなり入れましたね。
ここ最近作った歌の中でも本当に心より思い入れのある曲です。
ぜひ沢山の方に聞いて頂きたいですし、ライブなどがありましたらぜひ演奏してみたい曲です。

ACE ともりさん:そして、篠笛のレコーディングはよかったですね。
この曲もエレクトロビートにピアノ、そしてストリングスとCHiCOの声。
とても好きな雰囲気の曲調で「Song for the battle Field」 などもこのバリエーションですね。
一年を通したイベントの最後で聞いて頂けたとのことで、とても嬉しいです。
これは僕もライブやコンサートでもやってみたい曲ですね。

……今年はECOコンサートですかね?田中さん、ブリキング榊田さんにも出演頂きまして。(笑)
となると淺間元教授のラップも入りますね!
となるとスタッフさんみなさんのかけ声やコーラスも入りますね!

ACE CHiCOさん:それは、盛大なコンサートになりますね!(笑)

え~、僕が出演するとしたら「感極まって泣く役」とかになりそうですが。(笑)
もし「生で聴きたい!」という声を沢山いただくようでしたら、今後実現できるかもしれません!
僕個人としては、是非、そうした声をたくさん頂きたい!という感じですね。
ECOでコンサートが実現できたら最高だな、と思います。

田中:今回の楽曲制作第3期に関しては、本当に多くの方に、溢れんばかりの思いを込めて携わって頂きました。
1曲1曲それぞれの楽曲が、全力以上の「何か」が込められたものに仕上がっています。
ECOはこれからも耳から入ってくる世界も大事にしていきますので、
普段、音を消して遊んで頂いているユーザーさんも、是非、時折は「BGMをON」で楽しんでいただければと思います。(笑)

また、ACEのお二人、ともりさん、CHiCOさん、今回は数度に渡り、裏話的なインタビューにお付き合い頂き
本当にありがとうございました!今後ともECOと一緒に歩んでいただければ幸いです。

ACE CHiCOさん:本当に私たちにとってECOは大切で思い入れのあるゲームです。毎回毎回制作スタッフチームの方々にも驚きと感銘と刺激と、
時に笑いを頂いております!(笑)
これを読んでくださった方々にCDもまたぜひ聴いて頂けましたら嬉しいですし、ゲーム内で遊びながら聴いて頂けましたら光栄です。

ACE ともりさん:では恒例の……『君に憑依!』(笑)

田中:ありがとうございました!

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とほほ。最後はACEの工藤ともりさんに「君に憑依!」を先取りされてしまいました。

え~
というわけで、サウンドトラックCD発売前日の2012年1月10日から続けてきたこのコーナーも、
今回これが最終回となります。

ですが、また機会があれば舞台裏をご紹介したいと思いますので
出てきた時には懲りずにお付き合い頂ければ嬉しいです。

それでは、またいに~!