こんにちは!ECO運営チーム・音楽制作担当の田中です!

先日1月11日(水)、「ECO 6thアニバーサリーメモリアル コンプリートサウンドトラック」が発売になりました~!
お手にとっていただいた方、もうすでに聴いてるよ~!という方、本当にありがとうございます
そして、まだお手にとっていただいていない方、どこで売っているのか分からないという方、
いらっしゃいましたら是非こちらをご覧ください!
※2012年1月17日現在、品薄の状態が続いております。
お待ちいただいているみなさまには大変ご迷惑をおかけしております。
順次発送しておりますので
誠に申し訳ございませんが、確実に入手いただくためにご予約を頂ければと思います。

また、お近くのCD販売店様などでもお取り扱いがある場合がありますので、ぜひぜひ店舗様の方もお探し頂けましたら幸いです!

『SAGA15 永遠の絆』のメインイラスト、雀葵蘭さんによる素敵なジャケットが目印ですよ~!

※その他の特典や仕様などについてはこちらこちら でもご紹介しています。

特に今回新規制作された楽曲を収めた「Disc4」は、全曲マスタリングをかけてさらに聴き応えのある音質にブラッシュアップされていますので、ゲーム内で耳慣れた楽曲についても、是非じっくり聴き比べてみていただければと思います!

さて、それでは、おまちかねの楽曲制作インタビュー第1弾といたしまして
簡単にECOの楽曲を手がけていただいている音楽ユニット「ACE」さんのご紹介を。

「ACE」は工藤ともりさん、CHiCOさんというお二人で活動されている音楽ユニットで
主にゲームやCM、TV音楽など映像音楽の作曲・編曲・プロデュースを中心に活動されています。

これまでのECOのBGMも、ずっと「ACE」のお二人(工藤ともりさん、CHiCOさん)にご制作いただいているんですよ。

今回のアルバムはメモリアルコンプリートということで、
今回新規に制作・収録されたDisc.4の13曲以外にも、ECOサービス開始以来全ての楽曲が収録されている超豪華版となっております。

そこで、まず新規13曲のインタビューをお届けする前に、古くからある楽曲を含めた「ECO楽曲制作の思い出 ~はじまりの記憶~」と題したテーマをACEさんに伺ってきました!

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田中:
というわけで、どうぞ宜しくお願いいたします。
ACEさんにはECOサービス開始以前からこれまで、ECOの楽曲制作を一手に引き受けて頂いていますので、まずはサービス開始以前からの「ECO はじまりの記憶」というような形で、何か思い出や印象に残った出来事などお話いただければと思います。
……かなり昔のことも含みますので、いきなり難しいご質問かとは思いますが。(笑)

ACE ChiCOさん:
初めてのECOサウンドミーティングは7年前だったと思いますが
ACEとレコード会社関係のスタッフさんとガンホー本社に伺い、
ひっそりと会社業務の終わった夜裏口からはいりまして……。(笑)


初代岩田元教授をはじめとした錚々たるガンホースタッフ様に
作りたての『FAR AND AWAY』や『my country』のデモを
はじめて聴いて頂いた事が、はじまりの記憶として思い出されます。

今では『ECO』という言葉は、かなり普通に使われておりますが、
7年前なんてちょっとだけ前に感じますが、
実はその頃は『ECO』という言葉が今程広範囲で日常にフィットしてなくて、
丁度その言葉が使われ出した頃でした。

もしくは私が疎かっただけかもしれないのですが、
もっと『リサイクル』的イメージが強かったと思うのですね。

廃品を直すとか、ペーパーをリサイクルする、みたいな……。
でも夜のガンホーフロアで『癒し』や『広々とした感じ』『自然』というイメージを伺いまして、また日本製オンラインゲームがまだ殆どない、もしくは初めてだと伺ったんじゃなかったかしら……。
それを伺い、大変燃えましたね。

田中:
なるほど。たった7年でも、振り返ってみると時代が変わったように思いますね。

ACE CHiCOさん:
7年っていうと、生まれたばかりの子が小学生になってるし、小学一年生が中学生だし、
中学生が二十歳ですもんっ……あたりまえなんですが。(笑)

あと、しきりに最初のミーティングで『MMORPGのBGMは何十時間もずっと流すものだから』と言う事と、しきりに『疲れないもの』という事を強調されておられまして。

そしてその時聴かせて頂いたサンプル曲は、確かにかっこよいのですが、とてもバックミュージック的でメロがあまり出てないサウンドだったんですね。

そこで、ACEで、これは挑戦だったのですが、
『メロ』を出すをテーマにしよう、シンプルで口ずさみやすいメロを、確かになるべく
疲れないようにしながら、出そう、と。勝手に思いまして……すみません。(笑)

その後、何度か色んな曲のデモを出させて頂いたのですが、
初めのうちは『メロ』がもっと出てこない感じに、という様なオーダーが幾度もありました。

でも、こちらではメロだけでなく、『Lucky!』のように声まで入れてお送りしちゃった。(笑)

『楽しい曲』という感じのオーダーだったのですが、「『楽しい』時って、鼻歌出ちゃうよね~」なんて思いつつ制作しまして。

これも初めは「声はちょっとNG」……というやりとりがありましたが、
薄くして音量をさげて……などと、その後もするするっと出し続けまして
段々okになって……というか、okにしてくださり、しまいには、笑い声まで入れちゃったという(笑)

でもこれは、実はもう割と30曲以上制作した後での事したので
もうその頃には、結構ECO全体の音楽の枠が広くなってまして……。(笑)
結果、『好評です』といったお言葉を頂きました。

つねづね、そういった所がECOのすごいなって思う所でもあるんですが
頭がかたくなじゃないんです。
ゲーム自体もこんな事あったら良いなってことがどんどん実現しますしね。

先日の寺田教授のECO祭での発表も凄かったですし!

私どうしても子供の頃からルールって言葉が苦手で、どうしてもアウトしたくなっちゃう……。

かといって、ルールにど真ん中オンしてる事も好きなんですね。あるものにおいては。
ドラえもんとか、いたらいいなとか思いますし。(笑)

それに反してともりは、ルールにアウトしようとは全く考えてないんですよ。
むしろ優等生的にちゃんとルール守ってる……はずなんだけど、
結果ハミ出てる。
なんか変わってるんですね、色々。(笑)

でも、全然、自己の意識としては、ないんです。
自分のしたこと、作るものは、至ってドセンターだと思ってるという。
本当に不思議……。(笑)

あ、話は戻りまして、音楽制作第一期(注:Disc1,2収録曲)には、だんだん枷がはずれて
いろんな事がワイドに出来るようになっていった、という事の続きなんですけど、

確か制作第二期(注:Disc3収録曲)に作らせて頂いた初めての歌もの『Song for Battle Field』は、初めのデモでいきなりヴォーカルを入れて提出させて頂いたのですね。
そうしましたら、最初は『え?、歌ものはMMO RPGでは……ちょっと……』という反応だったのですが、当時の音楽のスタッフの方や淺間前教授が「いいんじゃない?」ってまず言ってくださり、色んなセクションとかなり戦ってくださったのですね。

その名の通り、『Song for Battle Field』だったようで(笑)。

これは、はじめもっとヴォーカルラインが大きかったのですね。

で普通に歌ものだったのですよ、でもゲームのしやすさや色々な意見にも答えるべく
当時の音楽担当の方のアイディアで、オートチューン的(機械的)な声に加工して
音量を下げてという事で、晴れて採用となったのです。

当時ちょっと海外アーティストのダフトパンクさん等の影響で
そういった処理が流行っていまして、今もありますけどね、HIPHOPなどで特に。
そこへ淺間前教授が素晴らしい詩をつけてくだすって、新バージョンで録音致しました。

浅間前教授はレコーディングスタジオで『Silent Attack』のDEMの声をされたり、
『Massive conflict』では沢山のECOスタッフの方で戦いの声を録音しましたし、
その頃より、ECOサウンドにはガンホーさんや開発のスタッフの方も参加される歴史が出来てきまして(笑)

どんどんこうして進化してきてですね、今回はブリキング榊田さんが
『Greater fear,behind you 』でメインヴォーカルをおとりになるまでになりましたし。

これ、すごいんですよ。自己申請でいらして!
「社内にデスメタルのヴォーカルをやっていた者がおりまして、ちょっとデモテープを聴いてください、って言ってますって、音楽担当の田中さんからメール来まして。(笑)

田中:
そうでしたね(笑)

ACE CHiCOさん:
はじめ、半信半疑だったのですが、送られてきたテープを聴きまして即『確かにデス声です!」とお願い致しました。
録音も一発録音でしたしね!

一発録音ってプロシンガーでも本当にすごいことなんですよ。
ヘッドフォンやモニターの調子を合わせるだけで、何回か歌ったりしますのに。

ECOは、ゲームの中でも、沢山の仲間と一緒に力を合わせたり
愛に溢れていると思うのですが、そっくりサウンドもそんな愛に溢れた、
しかもちょっとずつ進化していくプロジェクトだなって思っています。

田中:
ありがとうございます。
それだけに、いろいろな面で戦いの歴史が積み重なっていくわけですね。(笑)
今回の第三期(注:Disc.4収録曲)に関しては他にいかがでしたでしょうか?

ACE CHiCOさん:
今回も沢山のゲーム制作スタッフの方々と『Living Together in a Village』も
村人の声をレコーディングさせて頂いたのですが、
集中力ある中にも、笑いの絶えない現場で、
エンジニアの方も『こんな現場珍しいね』って言っていらっしゃいましたね。

田中:
チーム自体、実は「ハートフル」系の属性持ちが多いというか……。
全体的に、そういう雰囲気を隠し持ったスタッフが多いですからね。(笑)
なにより、今回はACEさんのみならず、エンジニアの方も含めて皆さんノリノリで進めていただけたような感じがあって、行く現場、行く現場、どちらもとてもありがたかったです。
これは、ECOやECOチームの雰囲気もそうですが、ACEさんの「ルールをちょっとアウトしたくなる」というイタズラ心と「常に挑戦する」というあたりの冒険心を忘れない姿勢からも、生みだされるものなんじゃないかな、と思います。

ACE CHiCOさん:
毎回少しずつ新しいことをやってみようというのが
ECOの私たちの目標です。
それが例えはっきりした音の形に出てこない場合でも、
なにか新しい実験をしたいなと思っております。

そして、あともう一つはやはり、一番最初におっしゃっていた
『オンラインなのでずっと聴いていて疲れないもの、ずっと流れて行くもの』
というテーマ、されどその中にどうやってメロを入れて行くかなっていう
一見なんか真逆のテーマをいつも心に大切において制作したいなと思っております。
……という事だけに、大変難しいんです……う~~ん。

あと、私達のいつもの音楽のテーマとしましては、
『ドセンターと外し』というイメージもありまして、
例えば、『Sunshiny days』(注:飛空城ファームBGM)なんかは、
まんまほっこりした農村作業イメージを『まんまに』出せたらいいなって思っておりまして、
もし音楽を聴かれて、ほっこり農村だな~って思って頂けたら嬉しいのですが。

それも、これは、なんか少し洋風な開拓みたいなイメージはありましたね。
頂いたイメージ画像がそうだったのもありますが、
丁度一緒に制作してましたのが『Living Together in a Village』(注:開拓村BGM)だったからかもしれないです。(笑)

でも、今回新曲は以外と『外し』の曲は少なく一曲だけ『外し』イメージで制作したものがあります。これは何でしょう。
何だか判りますか?
皆さんで想像して頂けましたら嬉しいです。

以前制作していたもので、外しの音楽としては『Pulse of space』もそうなのです。
どういうことかというと、これ、アンビエントテクノでして。
しかも、使われている音色がとっても気持ち悪いサウンドなんです。(笑)
穿った見方ですけれど、ゲームのサントラらしくないですよね。
でも、一発『ok』下さった担当者さんも『何かが外れてる』といいますか、
既存の枠組みに囚われない柔軟性があるな、と。
そんな所がECOだなと尊敬しました。
あ、ですが、最初の楽曲イメージ資料の段階で体内の図とか、血管の中の図とか頂きまして。
思えば、最初のオーダー自体『外し』でしたね。(笑)
インマウスの体の中を表現してほしいとの事でしたので、
あれ、よーっく聴いて頂けますと、ごくって口から飲み込んで→食道→胃の中で溶かされ→腸にいって溶かされ→@@@としてお外に出る、ってところまでを表現しているんです。
最後はアメーバーのように地表に泡になってしみ込むというストーリーを
勝手に込めてみました。ふふふ(笑)

でも、また君の街にあらわれるかもしれないね……っていう捨て台詞もつけながら。
心臓の横を通る時、そのパルスが、音楽のビックビートに変わっていくという、
そういう音楽になっています。

……という感じで、今迄の楽曲も新しくCDに入りました楽曲も
スタッフの方のオーダーやゲームのイメージなどとともに
いろんな思いを込めて作らせて頂きました。

どんなプロジェクトも、制作時期は苦しくないことは一度もないのですが(笑)
世にでて6年、こんなに色々本当に楽しくやらせて頂きました事
心より感謝しておりますし、ECOは本当に自分たち家族のような大切な存在です。

もし、今後また制作させて頂けるようでしたら、
次回の実験では、本当に広ーい草原の中、海の中に録音セットを持ち込み演奏とかね、
したいですね。出来ればフルオーケストラin 草原(笑)。な~~んて。(笑)

田中:
いいですね、フルオーケストラin草原!(笑)

ですが、う~ん……毎度のことでとても恐縮なのですが、
初期、前音楽制作担当からも含め、毎回、本当に無理なお願いを何度も何度もさせていただいているんですね……。(笑)

申し訳ない反面、いつもこちらの想定以上の熱とアイディアを込めて楽曲を作っていただいているという、そのお二人のエネルギーに頭が下がります。

また、それだけの熱がこもった楽曲たちですので
ECOのBGMは遊んでいただいたユーザーの皆様にも好評をいただくことが多く、
担当者としても非常にやりがいがあるんですよ!

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と、さて、それではいったん「ECO はじまりの記憶」という形ではこのあたりで切らせて頂き、続きまして2011年度にご制作頂いた新規楽曲13曲それぞれについて伺っていきたいと思います。

引き続き、宜しくお願いいたします。

(次回へ続く)

以上、まず第1弾として、ECOの楽曲制作の「はじまりの記憶」と題してACEさんに印象に残っているエピソードを伺いました。
いかがでしたでしょうか。

かなり長いインタビューになりますので、いったんここで区切らせて頂き、次回からは
数回に分けてDisc4に収録された今回の新規楽曲13曲についての各曲インタビューを掲載していきたいと思います。

もちろん昨年の通年イベント「ヒトトセのふしぎなたまご」で流された楽曲「12sec seno mano ~the voice from yourself~」のインタビューも掲載予定です!

いよいよ核心に迫ってまいりますよ~。

というわけで、引き続き、楽しみにお待ち下さい!

それでは、またいに~!