こんにちは、ブリキング榊田です。
ブログはお久しぶりですね。


大事なことをいいますよ!

先日10月31日(金)に発売しました!
何が!?

メタルアレンジCD「エコメタ!」が!!


エコメタ_ジャケット

皆様もうお聴きいただけましたでしょうか?
まだという方はエンターブレインさんのサイト「ebten」にて絶賛発売中ですので、ぜひチェックしてください!

「エコメタ!」では今冬登場予定の、DEMに奪われた大地を取り戻しに行く「都市攻略戦」のBGM「ARISE」を一足早く聴くことができちゃいますよ。

また、赤魂さんによる「Song for Battle Field」とブリキング榊田とゆかいな仲間たちことガンホーのメタルアレンジ集団「G-SHINE」による「Lands for Groundbreaker」、さらにボーナストラックとして2013年エイプリルフールに登場した「The world of curiosity(Dimension Dungeon REMIX)」と「Maximum Attack!(Heavymetiny feat.eb!G-shine REMIX)」が収録されています。


初回限定生産分には「ヘビメタイニー・アルマ」のアイテムチケットも付いてきますので見逃せませんよ!

heavymetal
さっそく共演するワタクシ!

さてさて、今回の新曲「ARISE」について、楽曲を担当した「赤魂」の市野ルギアさんより、楽曲のレビューをいただいちゃいました!
どんな感じにイメージして作られているのか非常に興味深い方もいらっしゃるかと思いますので、さっそくご紹介しちゃいます!
専門用語バリバリの超長文ですので、じっくり読んでくださいね!


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ECO民のみなさま、はじめましての方もそうでない方もこんにちは(こんばんは)!
いきなりしゃしゃり出てきてすみません!

ギタリストゲーマーでゲーム音楽メタルアレンジャーなリーマン「市野ルギア(@ギターが本体)」です!

今回は、ドミニオン世界の都市攻略戦の楽曲「ARISE」を「赤魂」が担当しましたので、その楽曲の解説をさせてもらいます。
 

Q.「赤魂」とはなんぞー?
はい……ゲーム音楽のアレンジや新曲を提供している音楽ユニットです。ジャンルはおもにMetalRockです。いろいろ手掛けてますので、気になる方は「赤魂」のサイトをチェックしてください。
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赤魂メンバー 右上が市野ルギア氏

まずは全体的 なイメージとして、いままで防衛 を主として戦っていたプレイヤーさんが、一転して攻めに入るということ……。
敵に奪われた 土地を「奪還」することになると寺田教授とブリキング榊田さんから聞きました。
「希望」・ 「闘争心」・「疾走感」が持てるような曲というリクエストをもらい、いろいろな設定や開発中の資料など見せていただき作曲に入りました。

Metal系の楽曲は、ギターなどわりとテクニカルなフレーズや凝ったリフに走りやすいのですが、「赤魂」の場 合は大きなコンセプトのひとつに「ゲーム音楽」というキーワードがありまして、わりとシンプルかつ印象的、そして耳に残りやすく、ゲーム中に何回聞いても「飽きの来ない」ようなメロディーやリフ作りを心がけています。

「飽きの来ない」って突き詰めていくと「シンプル イズ ベスト」になるんですよねー……。

「赤魂」のギターメロディーは、不用意な速弾きなどは入れず鼻歌で歌えるようなキャッチーなフレーズが多いです。

今回の曲もそれらを踏まえ、ストレートで「ハートフル」な「赤魂」のテイストに仕上げました。

余談ですが、ギターの難易度としては某ギター雑誌で言うところの、ゴリラさんマークぐらい(笑)なので
ギターが弾けて興味がある方はチャレンジしてみてください。
「弾いてみた」映像の投稿求む!←(笑)


それでは、楽曲をコンポーザー視点で詳細に解説していきたいと思います。
楽曲を聴きながら読んでもらえると、より一層楽しめますよ!


新MAP新MAP2

新MAP3


★0:00~  オープニングリフ
今回の楽曲を印象付けるのにとても重要である「曲の出だし」の部分。
この曲の入り口となる、このメインリフを真っ先に作りました。
イメージ的には「反撃」に打って出る戦場の戦士たち……。
各々が武器を抜き、敵の待つ戦場に突入していく……そんな雰囲気を表現してます。
これから敵地に攻め込むための「闘争心」を鼓舞するように、ギターの重厚なリフとして効果的なEm Keyで、ストレートなMetalRockのリフに仕上げました。


話は逸れますが……
Em Keyはギターの6弦開放が使えるのでおのずと重厚になってきます。
僕は7弦ギターをよく使うのですが、7弦開放のLowBでは重すぎてイメージがオドロオドロしいときがあるので、(それはそれでベストサウンドなときもあるのですが)「赤魂」はEm Keyをチョイスする場合が多いです。
また、ギターで作るとAm KeyやDm Keyが多いのは同様の理由(開放弦の関係)だと思います。
参考までに、僕が作曲するとやはりギタリストなんで、大概曲のKey(曲調)はその辺りになります(笑)。
ちょっと趣向を変えたいときにF#m Keyとか、よりヘヴィーに攻めたいときは7弦を使ってBm Keyってときもあります。
(↑ぁ…Metal 脳なんでほぼマイナーKeyなんですw メジャーKeyもたまーにやりますけど!)

すみません、 すごい余談でしたね……。



★0:36~  Aパート

奪われて敵地となってしまった「彼の地」を奪還すべく乗り込み、奥深く侵入していきます。
混沌とした戦地を、「緊張感」と「疾走感」を持って突き進む……そんな感じをイメージしています。
また少しダークなメロディーにすることで、敵に対する内に秘めた「怒り」などの感情も表せたのではないかと思っています。
途中0:50 辺りからのメロディー展開では、ダークな感じを払拭して勇ましいメロディーにすることで、いろいろな感情が渦巻くなかでも、心に迷いはなく「希望」を持って進む戦士を描いています。

★1:18~  Bパート

敵である 「DEM」の進軍を表現しています。
敵は機械種族ということなので、感情のある我々と違いドライに淡々と突き進んでくる……
そんなシーンを思い浮かべました。

それを表現するために、ザクザクとダウンピッキングの8ビートのギターリフを刻み、
2ターン目から「機械音」的なシンセ&デジタルベース音を入れることで、さらに「DEM」な感じを強調しています。

3ターン目から入ってくるソロのギターメロディーは、多くの 「DEM」がつぎつぎと立ちふさがってくるなか、それらを颯爽と薙ぎ払って進んでいくシーンをイメージしています。
同じリフとメロディーをKeyを変えながらくり返すことで押し迫ってくる感じを出し、そのまま流れるようにサビへと突入させています。

★1:48~  サビパート

進撃は最奥地に到達します。
一進一退の攻防が続くなか戦士たちの活躍により機械種族の勢力がどんどん押し返されていく……
プレイヤーが 協力して戦火を巻き返す。
そんな「奪還」劇のメインパートのイメージに相応しく、流れを止めることのないメロディアスでエモーショナルなサビとして表現しました。
Bパートの1本のギターメロディーから、一転してハモリのギターを入れることでインパクトを出しています。
単独行動から 共闘へと移り変わっていく感じです。

★2:14~  ブリッジパート

激戦に討ち勝つためには、戦士の休息も必要です。
進撃の続くなか来るべく最終決戦に向けて、戦士たちはしばしの休息を取ります。
故郷で待つ 人々に想いを馳せつつ、「彼の地」を奪還すべく最終決戦に挑む決心を新たに固める……
そんな戦士たちのひとときの安息を、メインにピアノを据えて表現しています。
ピアノは手弾きのインプロビゼーション(閃き)で「郷愁」感を強調し、劇的につぎのギターソロパートへ橋渡しします。

「動」がメインのこの楽曲のなかで、唯一「静」となるこのパートは、つぎからの展開を「激動」に感じさせるためにとても重要な役割を果たしています。

★2:47~  ギターソロパート

いよいよ最終決戦に突入です。
各々でどんな苦境にも負けず、戦況を打破しながら戦い抜いていく戦士を、作りこまれたメロディーでは出せない、閃き重視のインプロビゼーションによるギターソロで表現しました。

ギターソロにしたのは、それぞれの戦いにはそれぞれのドラマがあることを表現するためです。
前パートのピアノの繋がりから、掛け上がりの速弾きフレーズでソロへ突入することにより高揚感が加速します。

ギターソロは違った色を出すために僕ではなく前半部分を赤魂のレイボー、後半部分を赤魂のTAKUMIが担当しています。

★3:12~  ギターパート(大サビ)

ついに戦闘は佳境を迎えます。
散らばっていた戦士たちは、ボス戦に向けて集結し打破します。
いわば「真打ち登場」あるいは「必殺技」の出番といった感じでしょうか。
戦況はこれより一気に優勢に向け「逆転」していきます。

そんな戦闘の一番の盛り上がりシーンを感情豊かに表現するため、
インプロビゼーションでメロディーを作成し、あとからその音のハモリを入れて印象付けています。
そのハモリメロの合間に、攻撃的なオブリガードを盛り込むことで激闘を表現しました。
ここはオブリガードともに僕が担当しています。

★3:45~  サビ~エンディング

戦況は最終局面となり、勝利を確信して進みます。
楽曲も終焉を迎えるためにメインのサビパートに戻り、最後の盛り上がりに突入していきます。
そして、この曲の肝となるオープニングリフへと戻ることにより、起承転結の結として大団円を迎えます。
この、楽曲のエンディングへ向けてサビ~オープニングリフへと戻していく展開は、
わりとオーソドックスな手法なのですが、
この物語(奪還劇)が「勝利」へ向けて完結していく楽曲として感じることができると思います。



いかがでしょうか。
これを読んでいただくことで、
この曲をより深く味わってもらえるようでしたら幸いです。
ぜひゲーム中に流れるこの曲で
気分を盛り上げてプレイしていただけたらと思います!


それから、楽曲を聴いたご意見や感想とかもらえると、
今後の励みになりますので、
「赤魂」の公式サイトなどから投稿してもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。


それでは、
ハートフルメタルな『ECO』をお楽しみくださいませ♪

きぃ~み~に!憑依ぃぃい~~~っ!!(←メタルシャウト風)

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いや~大作でしたね!レビュー!!
レビューを読みながらCDを聴くとまたいろいろなことが分かって面白いですよ。

こんな熱い想いのこもった「ARISE」そして「エコメタ!」をぜひぜひ聴いてくださいね!
ECO祭2014のステージでも演奏しますのでお楽しみに!

それではまた次回!