ヘイ!
ロデムPedia一丁お待ち!
というわけでごぶさたしております。
久々のロデムPediaのお時間です。
さて、今回のお題は前回の生放送で選択された清姫になります。
いいですねきよぴー。
めっちゃ可愛いですね。
和モノ和キャラ好きな私にとって大当たりなキャラです。
/きよぴー可愛い!\
清姫という人物はとある伝説に登場する人物となっているので、
その伝説「安珍・清姫伝説」を紹介したいと思います。 伝説の細かい描写まで書くとまぁまぁ長くなってしまいますので、とりあえずそこは省いて大筋を書かせていただきます。
平安時代に毎年熊野権現に参詣をしている奥州の安珍という美形の僧がいました。
毎年参詣の際に真砂庄司清重の館を宿としていたのですが、そこの幼い娘、清姫が安珍に一目惚れをし、
安珍も清姫をあやすために妻にしてあげようと言っていました。
数年の後、清姫は大変美しい姫に成長しましたが、安珍は毎年館に寄るものの一向に清姫を妻にはしませんでした。
ある年に清姫が安珍の寝所に忍び寄り「いつ私を妻として奥州へ連れて行ってくれるのか」と迫ると
安珍は「私は仏に仕える身なので実際に妻を持つわけにはいかない」
と答えるが清姫はそれを聞き入れず、ついには安珍も困り「私は今熊野参詣の途中なので、参詣をしたのちにここに戻ります」と嘘をついてしまう。
清姫はその言葉を信じ、熊野に向かった安珍の帰りを待つことにしたのでした。
しかし、いくら待てども安珍は戻らず、不審に思い熊野帰りの旅人達に安珍の行方を尋ねた。
そこで聞かされたのは別の道を使いすでに清姫の元を素通りしていたという話だった。
騙されたことを知った清姫は安珍を飛ぶように追いかけ、ついには安珍に追いつく。
しかし鬼女のような有様で追いかけてくる清姫に対して、安珍は「自分は安珍ではない、人違いだ」とさらに嘘を重ねて逃げ、途中熊野権現に祈りをささげて清姫の動きを止めて逃げる。
さらに激怒した清姫はそれを無我夢中で追いかけ、日高川のほとりにて船で逃げる安珍を泳いででも追う為に川に飛び込む。
その姿は蛇の姿となって川を渡りさらに逃げる安珍を追いかけます。
安珍は道中立ち寄った道成寺にかくまうよう救いを求め、道成寺の僧たちはその結果鐘つき堂の鐘を下してかくまうことにします。
ほどなくして完全に蛇の化け物へとなってしまった清姫が道成寺に現れ安珍を探すが見当たらない。
しかし、鐘つき堂の鐘が下されておりそこにはわらじのひもが挟まっていた為、ついに安珍の隠れ先を見つける。
清姫はその鐘に七巻半ほど巻きつき口から炎を吐き鐘を焼き続け、安珍はついに鐘の中で焼死する。
安珍を焼き殺した清姫は蛇の姿のまま入水し亡くなったと伝えられています。
こんな感じの悲恋伝説でした。
今の普通の考え方だとさすがに安珍が可哀想な気もしますが、
仏教では基本的に嘘をつくということは、地獄に落ちる行いの一つとなっています。
清姫をあしらい真摯に向き合わず嘘をついた安珍にも罪があるということですね。
ちなみに伝説には色々なパターンがあるようです。
例えば清姫という少女は出てこないで若い寡婦が出てくるパターンがあります。
この場合は老若の二人の僧が宿泊しその女性は若い僧に恋慕した結果、僧に逃げられ寝所で自害し、そこから巨大な毒蛇が出現し、道成寺にて層を二人とも焼き殺します。
あれ? これさすがに巻き込まれた老僧可哀想じゃね?
他には清姫の母は白蛇の精でありそもそも清姫が蛇の化身であるというパターンもあります。
障子に映った清姫の蛇の姿を見て恐れた安珍は迫る清姫に嘘をつき逃げるところは一緒で、嘘をついて素通りされたことを知った清姫は絶望し、富田川に身を投げる。
その怨霊が大蛇となり安珍を追い道成寺にて焼き殺す事になります。
また、日高川草紙というものではだいぶ僧がクズっぽい感じのエピソードで乗っています。
かいつまんで書くと、賢学という僧がお告げである長者の娘と結ばれる運命にあると言われ、そこへ向かうと花姫という5歳の娘がいて、修行の妨げになると思って刀で刺し殺そうと胸を突きます。
刺された花姫はなんとか一命を取り留め、傷も癒えて美しく成長し16歳になった時に清水寺で賢学に再会します。
そこで賢学は花姫に一目惚れをして結ばれますが、
その後自分が刺した娘であることを知ると、仏道の修行の為に花姫を捨てて熊野へ向かいます。
捨てられた花姫は賢学を追いかけ川を渡り大蛇へと変化して鐘の中に隠れた僧を鐘を破壊して川の底へと引き込みます。
とまぁ、いい感じに安珍と同じポジションの賢学がクズな感じなので、さすがに因果応報と言えるでしょう。
さらに別のパターンでは騙されたことを知った清姫は安珍を追跡せず、蛇に化身もせずに絶望して入水し亡くなるという安珍が生き残るものもあります。
この清姫が化け物にならないパターンは清姫の故郷で伝わっているお話のようです。
ですが、「清姫は語る」という書籍では、清姫は鉱山経営者であり、安珍が清姫から鉱床秘図を借りたまま返さず、怒った清姫やその鉱山労働者が安珍を追い詰めたという異説もあるようです。
なんかこう恋慕とか悲恋とかそういう要素マジでどこ行ってしまったんでしょうか……。
さて、ここまでの鉱山経営者説以外は比較的よく知られている部分なのですが、実はこの話には続きがあり、ちゃんとオチがあります。
その内容はこんな感じです。
清姫が安珍を焼き殺した出来事から数日後、道成寺のとある老僧が不思議な夢を見た。
大蛇が夢に現れ、その大蛇が言うには自分は蛇の身になってしまった安珍であり、安珍と清姫をどうか供養してくれないかと頼んできたのである。
夢から覚めた老僧は早速いうとおりに法華経を読み手厚く弔った。
その後、老僧の夢に美しい衣を身に着けた二人の男女が現れ、天上へ昇ることができたという。
夢から覚めた老僧は、法華経のありがたさを讃えて話は終わります。
おおっと、悲恋伝説はいずこへ?
どうやらこの伝説の本質は法華経の素晴らしさを広めるためのお話だったようです。
しかし、この後日談では安珍と清姫は死後夫婦になっているという話があるので、清姫としてはこの後日談含めてが一番幸せなのかもしれませんね。
一番メジャーなパターンならともかくいくつかの異説になると、本来この伝説が伝えたい部分がおかしくなっちゃうものもありますね。
そして、さらに別の後日談がある場合もあります。
清姫に鐘を焼かれた道成寺が鐘を再興させよう鐘を作りにかかるが、なぜかうまく作ることができない。
結局鐘がなくなってから400年後になりやっと二代目の鐘ができたのだが、その鐘供養の際に一人の白拍子が舞を披露すると鐘が落ち、白拍子も消えてしまったという。
その後、なんとか僧たちによる懸命の供養によりその鐘は鐘楼へあげることができたが、撞いても濁った音しかしなくなりさらには周辺に疫病や災害が続いたため、清姫の強い祟りを恐れて山中に捨てたのである。
このエピソードは細かいところに差異はありますが歌舞伎舞踊演目の「娘道成寺」のお話となっています。
さらにこの後日談よりあとの話もあります。
上記のお話からさらに200年後、秀吉による紀州攻めの際にこの打ち棄てられた鐘を、秀吉配下の武将である仙石久秀が見つけ、この鐘を合戦の合図に使う為に戦利品として京都に持ち帰ろうとした。
しかし、この鐘のあまりに重さに京の近くの坂を登ることができずに結局土中に埋めた。
この鐘が土中に埋められてから周辺の集落では災いが頻発した為、集落に住む者たちが法華経で供養してもらおうと鐘を妙満寺に持ち込み、そこで大僧正に供養された結果怨念が晴れて美しい鐘の音に戻ったとされています。
おおっと、ここでも出てきました法華経。
やはり数百年後の後日談もここに帰結するようです。
ちなみに上述した妙満寺に今もこの鐘が安置されており、2004年には道成寺に里帰りもしたそうです。
毎年清姫の霊を鎮めるために供養も行われているそうです。
他、道成寺には安珍塚や清姫の故郷であるかつての真砂の地では、清姫の墓や身を投げた場所などの史跡が多く残されているそうです。
ちなみに道成寺関連の能や歌舞伎、浄瑠璃などの伝統芸能は、基本的にこの後日談を元に作られているお話のようです。
さて、今回もいつものような長文となりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
今回の文中であがっている道成寺は和歌山県に、妙満寺は京都府に実在するお寺ですので、興味を持たれた方や清姫に熱い思いを持っている方は訪れてみるのも良いかもしれません。
/皆様はこうならないよう、くれぐれも嘘にはお気を付けください\
次回はアンケート結果かなぁと思いつつ神魔のストックが溜まってきているので、どこかで解説を頑張りたいと思います。
それでは、失礼致します。