こんにちは、運営チームのロデム先生です。
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さて、ちょっと間が空いてしまいました。
久々のロデムPediaのお時間です。

今回は世界の海賊の中でも比較的有名な
キャプテン・キッドは何者なのかを紹介したいと思います。

キャプテンキッド参上!
/キッド様の出番かしらん?\

キャプテン・キッドは実際に存在した人物で、
ウィリアム・キッドという1600年代中ごろから1701年まで活躍した
スコットランド産まれの男性です。

彼は当初西インド諸島で私掠行為
(民間の船が他国の船を攻撃、拿捕することを国家が認めるという合法的な海賊行為)
を行って名をはせていましたが、
部下であるロバート・カリファドらに反乱を起こされ、島に置き去りにされてしまう。
このロバート・カリファドという人物は元々海賊で私掠行為だけではなく
普通に海賊行為がしたかった為に反乱を起こしたという話があるようです。
部下に裏切られて置き去りというと某有名な海賊映画の主人公みたいですね。
映画のシーンはこのエピソードが元ネタなのかもしれません。

その後、キッドはなんとか島から出てニューヨークへ移動し、
結婚して商人となりました。
しかし、置き去りから4年後また海に出たいと思い立ったのか
再び私掠免許を得るためにロンドンヘ向い、
ベラモント伯という人物の協力を得て政府の船の指揮官となるべく
推薦をしてもらうもその推薦は通りませんでした。
ですが、ベラモント伯は新しい船を建造してキッドを船長とした。
(この船の建造費用の10分の1程度をキッドは支払ったらしいです)
この建造された船がキッドの有名な船「アドヴェンチャー・ギャレー号」でした。

その後、国王ウィリアム3世から
「貿易の邪魔になる海賊」及び「敵国フランスの船の拿捕」の許可を得て
インド洋へ戻ってきたのです。
その後、キッドは海賊行為を再開するのですが、
どうやらキッドが海賊をすることを部下たちに持ちかけた説と、
部下たちの制御ができずに海賊となった説があるようです。

キッドの船に集まった船員はほとんど海賊であり、
(これは海軍増強に優秀な水夫が全てもっていかれたのが原因とされています)
その後の船員補充などでも元海賊が増え続けキッド以外が全部元海賊となっていったとか。
まぁそんな状況であれば制御が効くはずもないとは思えますね。
そして、そんなこんなで数年海で海賊行為を続けるのですが、
1698年に彼の運命の分かれ道ともなる
総額71万ポンドもの財宝を積んだケダー・マーチャント号を発見します。

襲撃が無事成功しケダー・マーチャント号を率いて拠点であるサント・マリー島へ戻るが、
そこには最初にキッドを裏切ったカリファドの船のモカ号が停泊していました。
その時の戦力差では圧倒的に優位だったキッドは
恨みをはらすべく襲撃を決意して部下に命令を出すのですが、
部下のほとんどが反逆してカリファドの元へ行ってしまいます。
この時裏切った理由はいくつかあるようですが、
私掠船なので思ったよりも報酬がもらえてない不満に、
元海賊だらけの船としては同じ海賊を襲撃するのは嫌だったのではないかとされています。
結局18人しか部下は残らず失意のうちに拠点を離れることに。

……事情はあるにせよ二回も部下に裏切られて、
しかも同じ人物というどうしようもないヘタレっぷりを発揮していますね。

その後、ぼろぼろになっていたアドヴェンチャー・ギャリー号から、
ケダー・マーチャント号に乗り換えカリブ海に向かうが、
途中自分が「東インドの疫病神」とまで言われてお尋ね者になっていることを知ります。
政治的な思惑もかなりあるのかもしれませんが、
ケダー・マーチャント号が敵国フランスの通行許可証を使用している船であったものの
関わる人物たちが様々な国籍の船だったことも関係あったようです。
そこで友人であるベラモントを頼り、ボストンへ向かうことになるのですが
この時大きくて目立つケダー・マーチャント号を捨てて財宝の一部を隠したそうです。
そしてボストンへ着いたキッドはベラモントの裏切りにあい逮捕されイギリスへ連行されることになります。

まさかの三度目の裏切り。
キッドは部下や友人に恵まれてなさすぎなのかそれともキッド自身に
カリスマや人徳がなかったからなのか……。
ECOのおやびんは大変仲間想いのいい子ですが。

その後、キッド自身は弁解の余地なくまともな裁判にならないまま、
キッドにとって有利な物は全て無視され海賊行為と殺人で死刑となります。
その遺体はテムズ川の絞首台に数年間海賊への牽制のような形で晒されることになります。

以上がキャプテン・キッドの大体のお話なのです。
読んでお分かりになったと思いますが正直なところ全然大海賊でもなんでもありません。
どうみても一流の海賊ではなく、かなり残念な部類です。

高名な大海賊と言えばイギリスの軍艦を撃退し
相手の船に乗り込んで大暴れをし数々の商船や集落を荒らしまわって
最後はイギリスから討伐部隊が出されたエドワード・ティーチ。

私掠船の船長として大活躍してイギリスの国庫歳入額を超える凄まじい財宝を女王に献上し、
他にもマゼランに次いでの世界一周の成功(船長が生存した状態では初)や
最終的にイギリス艦隊副司令官に叙任されて
アルマダの海戦で当時世界最強でかの有名なスペインの無敵艦隊を破るという
大活躍をしてイギリスを世界の強国へと押し上げたという凄まじい実績をあげて
世界史に名を残したフランシス・ドレークなどが挙がると思いますが、
キャプテン・キッドの知名度は彼らに近いものがあります。

ではなぜ実績もロクにないキャプテン・キッドが有名なのかというと、
前述した「財宝の一部を隠した」という点です。
彼は処刑前に「宝を隠したこと」を伝えますが無視され処刑されています。
しかし、実際に宝を隠したガーディナー島において、
ベラモントの部下が財宝を発見しています。
ですが、その額が1万ポンドとあまりにも少なかった為、
まだどこかにあるはずだと人々が推測し、
その後この財宝話が完全に独り歩きした結果、
金額は増えに増えてキッドが行ってもいない土地まで隠し場所候補となっていったようです。

このキッドの財宝は作家の創作意欲を刺激したのか、
キッドの財宝自体が登場するエドガー・アラン・ポーの作品『黄金虫』や
ロバート・ルイス・スティーヴンソンの作品『宝島』のようにキッドの財宝がベースになったとされる作品もあります。
そして最も有名な某海賊漫画の冒頭にあった大海賊が死に際に発した台詞などは
完全にキャプテン・キッドの死に際の話をベースにしているものだと考えます。
上記のようにウィリアム・キッドという人物は海賊としては正直三流なのですが
財宝伝説などが独り歩きし、様々な創作で取り上げられた結果が
大海賊キャプテン・キッドという存在なのだと言えます。
ある意味では架空の大海賊とも言えますね。

空もカバー!
/海も空もあたしにまっかせなさーい!\

さて、今回は以上となりますが、
お楽しみいただけたでしょうか。
ロマンがあって楽しいですよね大航海時代。
某社のシミュレーションゲームも私は大好きです。

次回はワーウルフかパラケルススについて
書きたいと思いますので楽しみにしていただければ幸いです。
それでは、今回はここで失礼致します。